著者
大村 綾
出版者
日本生活体験学習学会事務局
雑誌
生活体験学習研究 = The Journal of life needs experience learning : 日本生活体験学習学会誌 (ISSN:13461796)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.33-42, 2018-07

本研究は一日保育士体験での親の気付きに着目し、親の子ども理解や子育てへの認識が如何になされてい くかについて把握することを目的とした。一日保育士体験に参加する親とそのクラス担当保育者の他、園長、主任へのインタビュー調査を実施し、結果を親の気付きの視点でカテゴリー分けした後、①安心感、②家での子どもの姿との違い、③専門的な知識を持った保育者の対応、④見えない配慮、⑤園の保育方針の理解、⑥保育者の 相互理解の6つの観点で整理を行った。また考察では、親と担当保育者との個人面談の時間が、一日保育士体験のふり返りの時間となり、体験の意味 付けの時間にもなっていること、さらには一日保育士体験による親の気付きが、単なる保育参観やプログラム化された保育参加による親の気付きとは質の異なる気付きとなっている点を特徴として明らかにした。